バンコク物語Ⅳ〜3日目〜
3日目の朝は早かった。
水上マーケットとアユタヤを巡るオプショナルツアーがあるからだ。
このツアーにしたのは、水上マーケットに来るのは大体がツアー客で個人では行きにくいということと、アユタヤは自転車などでもまわることができるが、この時期とても暑いしバテてしまいそうで、ツアーなら楽だし安心だと思ったからだ。
集合場所は近くのホテル。
出迎えてくれたのはフレンドリーなおじさんだ。
他に8人(日本語のツアーなので皆日本人)が来て、計10人で大きめの車に乗って出発した。
最初に向かったのはココナッツの工場。
これはツアーだと大体寄るところで、お土産とトイレがある。
昨日のこともあったし、トイレは本当に重要だ。ツアーガイドの人がここはトイレ行っていいとか親切に教えてくれた。
ここは、ツアーについてくるお土産を買う兼休憩の場所と思っていたが、予想より楽しかった。
ただカードが使えないのでもうすこし現金を持っておけばよかった。
そしてバスに乗り込み次は水上マーケット。
水上マーケットは最初に電動ボートで入って、その後手漕ぎボートでショッピングができる。
手漕ぎボートはオプショナルなのでいいかなと思っていたが、ガイドの方に半ば強制的に参加させられた。
現金をあまり持っていないと言ったら、なんと貸してくれた。しかも両替するの大変だから日本円でいいという。優しい。この人、どこへ行っても会う人会う人と話している。
さらに自分は関係ないのに観光客に買ってもらおうとしている。
優しくて、自由でいいなあと思った。
で、水上マーケットだが、とても楽しかった。
ディズニーランドのアトラクションみたいだけど、ディズニーランドのアトラクションのような安心感はない。
電動ボートでは、容赦なくスピードを出す。
水は汚いが多少かかる。
でもこんなん日本では絶対に体験できない。
船に乗っていると、ここに住んでいる人たちも垣間見える。
水上マーケットって、今や観光客のための場所のようで、船に乗っているのはほとんどツアー客で、一種のアトラクションのようだが、ディズニーランドとは違うのは、ここが生活の場であるということだ。
私は少し違和感を感じた。
人々の住処にお邪魔しているのに、ガイドに案内されるまま船に乗り、カリブの海賊で海賊たちを見るように、現地の人々を見る。
そこに住民はいるのに、彼らとは一切関わらず、マーケットと言いながらものも買わず、ただ船に揺られて外から眺める。
観光客と現地の人との間に大きな壁がある。
日本で観光している時には感じなかったことだ。
私はタイについて理解したいという思いを持っていたが、観光は楽しむためのものであって、知ることには必ずしも繋がらない。
観光では表向きのことしか知れないのかも。
でも、考えてみたら当たり前かもしれない。
観光客と現地の人には一種の上下関係がある。
観光客はお金を持ち、現地の人はお金を落として欲しい。
だから現地の人に馴染まなければ本来の姿を知ることは出来ないのだろう。
しかしそこには危険が伴うから、観光で遊びに来てるなら仕方がないのかもしれないが、少し寂しさを覚えたのだった。
そして次はアユタヤへ。
本当はたくさん遺跡をめぐりたくて、ツアーを躊躇したのだが、結局このくらいでちょうどよかった。
スリにずっと気を付けていた。
そしてまたちょっと怖い車に揺られ、送り届けてもらいました。
その後またマッサージ行ったんだっけな。
渡したチップが申し訳程度すぎてマッサージしてくれた方に笑われた気がする。何話してるのかはわからないけど。けちですみませんでした。
ずっと綴るの途中で止めていたので、すっかり記憶がなくなってしまいましたが、初めて行った海外は不思議な開放感に満ちていました。
母と一生懸命色々調べながら、色んな人に聞きながら弾丸で回って楽しかった。
あの独特の雰囲気、あの新鮮さ、母と行けたこと、忘れない。